Livin' On the Edge

僕もエッジの効いた文章を書きたいと常日頃から考えているので、面白く読みました。なので、ちょっと異論を述べるとともに、僕も理想のエッジについて少し考えてみたいと思います。
物体を切断した場合、その断面は大まかに言うと「剪断面」と「破断面」二つの部分に分けられます。剪断面とは表面が綺麗な断面のことで、一方、破断面とは表面がざらざらした断面のことです。刃物は差し入れられた側から物体を「切って」行きますが、引き抜かれる際に物体を「引き千切る」形になります。この時、大まかに言うと「切られた」面が剪断面に、「引き千切られた」面が破断面になる、と考えてください。また、引き千切られた結果として刃物が引き抜かれた側に「バリ」が発生します。
図1:剪断面と破断面、及びバリ

つまり、バリは切断面の片側にしか発生しない、ということです。では、もう片方の側に理想のエッジが生まれるのでしょうか?
物事はそう簡単ではありません。確かに、反対側にはバリは発生しませんが、そのエッジは刃物が差し入れられた際に変形してしまいます。この変形をある業界では「ダレ」と呼びます。
図2:剪断面側エッジの変形(ダレ)

(図では簡略化していますが、変形はもっと複雑な多角形状となります。)
さて、上記を踏まえて「理想のエッジはどの様にして得られるか」を考えて見ましょう。刃物の形状や材質、切断方法によってバリもダレも極少量に押さえることは可能です。問題点としては刃物の管理面や切断技術の難易度等が考えられますが、最大の問題は「バリもダレも決して0にはならない」という点です。(「バリを後で除去する」という方法でも結果は同じです)
つまりは「理想のエッジ」はあくまでも理想であって、現実的には必ず妥協が求められるということになります。となると、問題はバリの方向で妥協するかダレの方向で妥協するか、ということになりますが、それは理想のエッジを必要とする目的によって変わってくるでしょう。
トラックバックってこういう感じなのかなと思いました。